第1回キャリア教育アワード

第1回キャリア教育アワード受賞企業・団体紹介・インタビュー

2011.04.15

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2011年3月8日開催、第1回キャリア教育アワードの結果は以下のようになりました。
※受賞インタビューは、アワード当日に行いました

第一回キャリア教育アワード受賞企業

最優秀賞

パナソニック株式会社「エコ・モノ語(がたり)」 小学校5年生の社会科単元「工業生産を支える人たち」に連動し、生活に身近な家電製品をテーマに、モノづくりを支える人々の役割や、環境への努力、工夫について体系的に学ぶことをねらいとしています。

 また、キャリア教育の観点からは、モノづくりを支えるさまざまな役割の人々の連携によって仕事が成り立っていることなどを伝えます。

パナソニック株式会社「エコ・モノ語(がたり)」 プログラムの特徴は、知識提供型ではなく、児童の気づきと好奇心を引き出し、思考力を育成することをねらいとした作りとなっています。
 また、当該単元の5時間のうち、4時間は教員が実施し、1時間を企業講師が実施するという学校が導入しやすい設計となっているところがポイントです。

◇ 受賞インタビュー パナソニック株式会社 コーポレートコミュニケーション本部
社会文化グループグループマネージャー 小川 理子 氏

パナソニック株式会社「エコ・モノ語(がたり)」 当社は本プログラムをパナソニックの企業市民活動のひとつの柱として推進してまいりました。今回の受賞は私たちのやってきたことが間違っていなかったという自信をいただいたような気がいたします。受賞の際には、ユーストリームで見ていた各地の社員たちが続々とメールをおくってくれて、みんなで喜びを分かち合うことができました。モノづくりの企業であるという私たちの強みをどう子どもたちに還元していくかということを常に心がけてまいりましたし、これからも私たちが企業として、背伸びせずに日ごろやっていることを社会に還元していきたいと思っております。

小宮山審査委員長賞(準グランプリ)

横須賀商工会議所 中学生「“自分再発見”プロジェクト」 横須賀市内の中学校9校(H23年度は11校)に対して実施しているプログラム。中学生と職業人のグループディスカッション、マナー研修、仕事についての講話など教育界と産業界のベクトルを合わせ、「人を育てる」というミッションを共有しました。

横須賀商工会議所 中学生「“自分再発見”プロジェクト」 width= 子ども自身の考えさせる機会を提供し、子ども発のアイディアや提案をどのように具現化させるかに軸足を置いたプログラムとなっているなかで、産業界、教育界の連携が推進され、市の基本計画の重点政策として「キャリア教育」の推進が明記されました。

◇ 受賞インタビュー 横須賀商工会議所情報企画課主任 佐藤 廣 氏

横須賀商工会議所 中学生「“自分再発見”プロジェクト」 本賞の受賞はMTT(マイタウンティーチャー)という職業人講師の方々や、協力者、協力企業など、横須賀を愛し、横須賀の子どもを育てたいと考えている全ての方に対しての受賞だと思っております。本プログラム実施当初は1件1件まわって説明をし、理解、協力を得てきましたが、着実に協力者、企業も増え、認知度も高まっております。

 プレゼンの際にもご覧いただいた自動車整備士の職業人講師は、実際に自分が乗ってきた車を使って生徒に整備士体験をさせていました。その車に乗って帰るのだから、ねじがはずれたり壊れたりしたら大変です。それだけ、講師も本気で取り組むから、生徒も本気になります。また、本事業は、産業界側のコーディネーターだけでなく、退職した校長先生が学校側のコーディネート役を引き受けていただくことにより、双方の理解が深まりました。さまざまな大人が連携をして同じミッションにむけて進んでいくなかで子どもにたくさんの「気づき」を感じてもらいたいと思います。

優秀賞

会津若松商工会議所青年部

ジュニアエコノミーカレッジ

会津若松商工会議所青年部 ジュニアエコノミーカレッジ 平成12年からはじまった本プログラムは小学校5年から6年生を対象に、会社の設立、資金調達、商品企画・製造・販売など会社の一連の活動を行います。会津若松のほか、平成18年からは、秋田、福島、岐阜など全国展開をはじめ、平成22年には全国11か所で実施しました。

会津若松商工会議所青年部  ジュニアエコノミーカレッジ 子ども自身が自分で決めて自分で実行する自分力を発揮するプログラムです。学校や、家庭などで教科の知識、社会生活上のコミュニケーションを学んではいるが、それを発揮する場所が減っているという課題に対して実施されています。

◇ 受賞インタビュー 会津若松商工会議所青年部 副会長 吉川哲也 氏

会津若松商工会議所青年部  ジュニアエコノミーカレッジ 地域を作るのは地域に住んでいる人で、その人たちが「当事者」として、地域のことを決定していくことが必要だと思っています。地域の大人が「当事者」としての責任や覚悟を子どもにしっかりと示していくことが重要だと考えています。本プログラムにより、学校では特に目立つところもない子どもがとても生き生きとして、様々な活動をする姿をみるにつけ、地域の大人の本気の覚悟が必要であると感じます。

 また今後もより多くの地域の子どもが本プログラムに参加し、自分力を発揮する機会を増やしてほしいと思います。どの地域でも導入しやすいよう展開サポートし、本プログラム参加者が情報共有するサミットも全国展開していきたいと考えております。

優秀賞

株式会社シマノ 本プログラムは経済産業省「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」のプログラムとして、平成17年度から実施してまいりました。小学5年生から中学校3年生までを対象に21世紀の自転車作りのミッションをあたえ、マーケティングから企画書作り、発表、振り返り等を行うプログラムです。

株式会社シマノ 大阪の真髄である「なんでやねん!」という言葉が基礎になっており「なんでそう考えるのか?」「なんでそれがいいと思うのか?」という思考リテラシーの育成に重点を置いています。

◇ 受賞インタビュー 株式会社シマノ広報部広報課課長 江原 政光 氏

株式会社シマノ 世界中の様々な言語、文化の違うメンバーと共に製品を作っていく当社は、企画やアイデアを論理的に相手に伝え、課題を解決していく必要があります。この当社の強みが本プログラムにいかされています。また、私たちは「講師」としてではなく、「社会人」として子どもたちと接します。大人が本気で働く姿勢を感じてほしいからです。

 子供達には課題に対して「なんでやねん」を徹底的に考えぬくことを求めます。子供達の考えた企画書を途中でボツにすることもある非常に厳しいプログラムではありますが、考え方や、アイデアの出し方のヒントを与えると驚くような企画が出てきたりします。また絵の得意な子どもは企画書のイラスト部分を手伝うなど、自分の得意な部分をチームに提供することで子どもたちが自然に参加でき、最終的にはどの子どもも「考えるって楽しい」と思えるプログラムになっています。

 本プログラムは、企業であれば実施できますし、参加した社員自身が企業人として、また企業市民として必要なことをあらためて考えられるきっかけにもなります。より多くの企業に本プログラムに参画していただきたいと思います。

優秀賞

新生フィナンシャル株式会社

金銭基礎教育プログラム Money Connection

新生フィナンシャル株式会社 金銭基礎教育プログラム Money Connection 様々な外部の機関と連携し、平成22年度はプログラム実施回数179回。受講者数は5559名にのぼっております。

 内容は働くこととお金について学ぶという金銭教育が基礎となっています。生きていくために必要な金額やお金の稼ぎ方、働き方の情報を提供。自分のイメージする将来像や生活スタイルにはどれぐらいのお金が必要であり、どのような進路を選択する必要があるか学びます。

新生フィナンシャル株式会社 金銭基礎教育プログラム Money Connection また、キャリアによって必要なものや欲しいもの、手に入れられるものが変わるということも学びます。

◇ 受賞インタビュー 新生フィナンシャル株式会社マーケティング部門ブランドコミュニケーションアシスタントマネージャー 大槻 昌弘 氏

新生フィナンシャル株式会社 金銭基礎教育プログラム Money Connection 外部の様々な団体と連携することによって企業だけではできない広がりのあるプログラムが実施できたことが大きな成果だと思っております。

ニート状態になる原因はいろいろありますが、「お金に関する正しい知識や金銭感覚の欠如」もその一つです。そこで、生きていくために必要となるお金や物の価値について考え、多様化する雇用形態や、働き方による生活スタイルの違いを知り、より長期的な視野で「お金」や「人生」について考える機会を提供することにより、自らの進路を慎重に考えられるようになれば、不本意なニート化を防ぐことができるのではないかと考えています。

今後も、パートナーである「育て上げネット」と共にプログラム提供地域を拡大し、ニート化予防のための取り組みを全国に普及させたいと考えています。

 

優秀賞

日本アイ・ビー・エム株式会社 本プログラムは平成15年から開始し、様々なコーディネーター機関と連携し小中学校を中心に実施してまいりました。平成22年は98回実施、参加児童生徒は約6500名になります。

日本アイ・ビー・エム株式会社 大きく理科、環境、国際の分野でキャリア教育支援を行っております。特に力を入れている理科教育、環境教育では、当社の強みであるエンジニアについて説明をし、ロボットを組み立てたり、身近な材料を用いた理科実験を行っております。

◇ 受賞インタビュー 日本アイ・ビー・エム株式会社公共事業 官公庁IBDT Smarter City推進担当次長 横田 由美子 氏

日本アイ・ビー・エム株式会社 本プログラムのボランティアで参加しても査定が上がるわけではないなか、徹夜してでも仕事を終えてボランティアに参加する社員がたくさんいてくれることは本当に感謝しております。最初に参加する動機は子どもが好きだからとか、なんとなく、ということなのですが、子どもと触れ合うなかで様々な気づきがあるという声を参加した社員からよく聞きます。

 当社は「よき企業市民たれ」という理念があり、学校だけではできないことで当社がお役に立つのならさまざまにお手伝いをしたいと思っております。ただ、一企業ではできないこともあります。そんなときに、さまざまなコーディネーター機関と連携することができ、プログラムや実施規模にも広がりが生れました。今後は、さらに、他の企業などとも連携しながらネットワークを作り活動を広げていければと感じております。

◆審査員特別賞

東芝テックソリューションサービス株式会社
(受賞時 テックエンジニアリング株式会社)

体験型科学教育

テックエンジニアリング株式会社 体験型科学教育 平成22年特別支援学校において、通年にわたる授業を実施しました。体験レジ係、GEMSの犯罪科学捜査プログラム、五感を駆使した「味覚の科学」プログラム等を実施。今回はこの活動に対する受賞です。

◇ 受賞インタビュー 東芝テックソリューションサービス株式会社 総務部ISO・MI推進グループ 金沢 直美 氏

 今般の一連の活動は、七生特別支援学校(東京都日野市)の先生方、
連携して下さった他社の皆様のお力添えのもと、継続することができました。
この場をお借り致しまして、御礼申し上げたいと思います。

テックエンジニアリング株式会社 体験型科学教育当初は特別支援学校に関する知識を何も持ち合わせず、コミュニケーションはできるのだろうか?用意したプログラムはきちんと実施できるのだろうか?知らない人間が突然訪ねていくことによって、逆に学校のご迷惑になるのではないか?という心配がありました。でも実際には、こうした心配は杞憂でした。

年間を通して生徒の皆さんと接してきて感じたことは、「我々の方がたくさんのことを教わっていた」「社会参画や学びの機会をご提供しているつもりで、我々の方が交流の機会を頂いていた」ということでした。「無知の知」「体験の価値」にあらためて気づかされました。

日本の社会の中で、こうした気づきの機会は大変少ないことを痛感します。体験し、学ぶべきなのは我々の方です。多様性の重要性が語られる今日、少しでも多くの人が、知的障がい者の社会参画を身近な問題としてとらえることができるような社会を構築していくべきであると感じます。

このような活動をもっと広く社会にお伝えしながら、連携してくださる企業、団体<とのネットワークを拡げたいと感じています。単発でないお互いに効果の見える活動にしていくためにも、連携は必要だと感じます。

第一回キャリア教育アワード 審査風景

第一回キャリア教育アワード 審査風景


トークリレー~これからの教育の話をしよう

私たちが教育に参加する意味

柏原 裕一郎 氏(株式会社電通プラットフォームビジネス開発室専任部長)柏原 裕一郎 氏
(株式会社電通プラットフォームビジネス開発室専任部長)


学校の現状

中島 豊 氏(東京都杉並区立天沼小学校校長)中島 豊 氏
(東京都杉並区立天沼小学校校長)


田中 邦明 氏(北海道教育大学函館校教授・水産学博士・キャンパスコンソーシアム函館運営会議座長)田中 邦明 氏
(北海道教育大学函館校教授・水産学博士・キャンパスコンソーシアム函館運営会議座長)


海外の事例

松田 悠介 氏(特定非営利活動法人Learning for All代表理事)松田 悠介 氏
(特定非営利活動法人Learning for All代表理事)


これからの教育の話をしよう

生重 幸恵 氏(一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会代表理事・特定非営利活動法人スクール・アドバイス・ネットワーク理事長)生重 幸恵 氏
(一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会代表理事・特定非営利活動法人スクール・アドバイス・ネットワーク理事長)



あのトロフィーをもっとよく見たい!という声が続々と・・・・

このトロフィー、当日表彰をされた経済産業省産業人材室の林企画官のご説明にもあったように、二宮尊徳をモチーフにしています。

まきを背負って働きながら、書物を開いて学び、足を一歩踏み出しているその姿はキャリア教育そのものです。

また二宮尊徳は、報徳思想(私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるという考え方)を唱えた人でもあります。

まさに、二宮尊徳こそが、キャリア教育のシンボルであると考え、トロフィーのモチーフとさせていただきました。

トロフィー尚、このトロフィーは本協議会メンバー、NPO法人北海道職人義塾大学校の職人さんたちの粋を結集して作成されたものです。
実際にこのトロフィーを作成した北海道職人義塾大学校の専属デザイナー衣川義清さんは
『現代風な二宮尊徳というテーマに苦しみました。 二宮尊徳のイメージが固定されているので難しかった。』と語っています。
また、事務局長の藤田和久さんは「デザインは私どものスタッフが担当し、木型と鋳造は会員企業2社が一連生産で作成しました。」ということです。


たくさんのご参加ありがとうございました!

経済産業省 キャリア教育 総合情報サイト
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